スモールビジネス・マーケティング
事例Ⅱの試験員といわれている”岩崎邦彦”さんの著書「スモールビジネス・マーケティング」を読んでみました。
事例Ⅱで問われそうな論点が沢山書かれており、大変参考になりました。
簡単に内容を纏めておきます。
第1章 小規模メリットの創造
・
これらは、小規模小売業の
第2章 小規模メリット活用形マーケティングの構築
小規模小売業の不振をもたらしている典型的なマーケティング要因
①小規模小売業に対する消費者の期待と小規模小売業の経営の実践とのギャップ
②大規模小売業との同質競争
③ターゲット設定の誤り
④「小規模メリット」の活用ができていない
とくにマーケットの期待と小規模小売業の実践のギャップを解消するために、筆者が提案しているのが、
小規模メリット活用型マーケティングの実現に必要な3つのマーケティングプログラム
・本格化マーケティング・・・「店のこだわり」「店の個性」「店の専門性」
・関係重視型マーケティング・・・「ここと決めた店あり」「気に入った店は長く利用」
・人的コミュニケーション重視型マーケティング・・・「店員とのコミュニケーション」「店員のアドバイス、提案」
第3章 プログラム1:本格化マーケティング・プログラム
競争優位のコア基板の確立
・まずは、競争優位の
①「目に見える資源」
設備、人手、資金など
②「目に見えない経営資源」
専門知識、独自の経験、ノウハウ、顧客の信用、ブランド、技術、こだわりなど
③「小規模特性」
真空地帯への対応力、変化対応力、地域密着力、対面販売力、個性化力
とくに、
コア商品の確立
例:すべてのケーキが無難な洋菓子店より、チーズケーキがとびきり美味しい店
アソートメント(商品組み合わせ)の拡充
品揃えの垂直的拡充
⇒コア商品に関するアイテム(品目)数の増加
生活起点のアソートメント
コア商品に関わる消費者の生活シーン、利用シーンからの品揃え
例:ワイン+チーズ、生ハム、オリーブオイルなど。
※
ターゲッティング
スモールビジネスのターゲッティングの定石は、
プライシング
いかに安く売らずにすむかを考える
低価格競争ではなく、
品質・こだわりの視覚化
以下を利用して品質やこだわりを視覚的に形あるもいのにしていくことが重要
・商品のネーミング、パッケージ、ラベル
・POP、パンフレット、プライスカード等を利用した文章
・従業員の制服、働き方、店名、店舗そのもの
小売業でも独自の価値を付加する
「サービス」の付加
・個別宅配、設置サービス、点検、修理、調整、御用聞き
「情報」の付加
・ライフスタイルの提案、顧客に合わせた価値提案を行い、消費者をリードしていく
「学び・体験」の提供
・料理教室、田植えツアー(体験)など
効果:
・取扱商品に対する顧客の関心の向上
・自店の専門性の伝達
・顧客とのリレーションシップの深化
・信頼性の構築
第4章 プログラム2:人的コミュニケーション重視型マーケティング(1)
・人的コミュニケーションが顧客満足や業績に直結する
⇒製品(Product)、価格(Price)、プロモーション(Promotion)、立地・チャネル(Place)の4Pに加え、5つめのPともいえるPeopleが切り札。
・双方向のコミュニケーションがポイント
⇒苦情をうまくすくい上げることができれば、大部分の顧客流出を防ぐことが出来る。
第5章 人的コミュニケーション重視型マーケティング(2)
・くちコミは最高のコミュニケーション手段
・くちコミ発生の方程式
記憶しやすく、伝えやすい
①店名や商品名が短く、覚えやすいこと
②特徴が絞りこまれていて、言語化しやすいこと
③語るための材料があること
伝えたくなる
①既存顧客の満足度を高めること
②オリジナリティのある品揃え
③顧客の意見を聞く
第6章 関係性重視型マーケティング
顧客維持活動
・顧客と販売員との人的コミュニケーション
・顧客との継続的接触
・売り場の変化
最後に
以上、スモールビジネスマーケティングの内容でした。
あくまで、事例Ⅱは与件文から離れてはいけないと思いますが、
この本を読むことで中小小売業のマーケティングのあるべき姿が理解でき、
知識のバックボーンが増えてとても為になりました。
それでは!
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